システムズビルディング(英語表記)systems building

改訂新版 世界大百科事典 「システムズビルディング」の意味・わかりやすい解説

システムズビルディング
systems building

建築物の企画,計画,設計,製造,施工という流れが効率的に組織された建設方式のしくみをいう。新しい機能,性能が要求される場合や生産効率の向上が求められる場合に適用される。具体的には,建築物を構造体,外周壁天井間仕切などの部分にわけ,それぞれに開発目標,要求性能を設定し,工業製品として生産するという手法がとられる。部分ごとに設計,生産,施工が一貫することになり,的確なフィードバックが行われ,改良が促進される。このような建築物の部分のことをビルディングサブシステムと呼ぶ。

 システムズビルディングの実例としては,1960年代の学校建築の分野におけるイギリスCLASPクラスプ)(consortium of local authorities special programmeの略),アメリカのSCSD(the school construction systems developmentの略)などが有名である。日本には学校建築におけるGSKシステム(学校施設建設システム),庁舎建築におけるGOD(government office developmentの略)などがある。初期超高層ビルのための建設手法の開発もシステムズビルディングの実例と考えることができる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシステムズビルディングの言及

【プレハブ建築】より

…プレハブ建築にはこのように相反する要求があり,そこで歴史的にもさまざまなくふう,提案,実験の繰返しの中から何タイプかのプレハブ建築手法が一般化しつつある。プレハブ化のレベル,対象部位,在来的手法との合体,施工面でのくふうなどを総合的にソフトな面からコントロールすることがたいせつであることから,近年はシステムズビルディングと呼ばれることも多い。また工業化建築,部品化建築,組立式建築などとも呼ばれ,その構法もまた多様化しながら建築の質の向上とコストダウンへと向かいながら発達してきている。…

※「システムズビルディング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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