シデ(四手)(読み)シデ(英語表記)Carpinus; hornbeam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シデ(四手)」の意味・わかりやすい解説

シデ(四手)
シデ
Carpinus; hornbeam

各地の山林に自生するカバノキ科クマシデ属の落葉高木数種の総称で,イヌシデ C. tschonoskiiアカシデ C. laxiflora,クマシデ C. japonicaサワシバ C. cordataなどがある。早春,葉に先立って雌雄の尾状花序をつける。雄花序は紐状で小枝の先から垂れ下がり,鱗片状の包葉とおしべから成る。雌花序は2個の雌花を囲む包葉の集りから成る。シデとは花序の垂れ下がる様子を神道の儀式に用いる四手に見立てたものである。イヌシデは楕円形の葉に 12~15対の側脈が目立ち,アカシデは若葉の先が赤色,クマシデは葉の側脈が 20対内外もあり,またサワシバは葉の基部が深い心臓形である。いずれも材が堅く洋家具そのほか細工物に用いられ,また薪炭材としてもごく普通に用いられる。

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