シデ(読み)しで

デジタル大辞泉 「シデ」の意味・読み・例文・類語

シデ(Side)

小アジアにあった古代都市。現在のトルコ南西部の都市アンタリヤの東約65キロメートルに位置する。紀元前7世紀にイオニア人が建設し、紀元前4世紀にアレクサンドロス3世に征服された。1世紀から2世紀にかけて古代ローマ帝国植民地パンフィリア地方の主要都市として栄え、円形劇場神殿などの遺跡がある。スィデ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シデ」の意味・わかりやすい解説

シデ
しで / 四手
[学] Carpinus

カバノキ科(APG分類:カバノキ科)のアカシデイヌシデクマシデなどクマシデ属(シデ属)の総称。落葉高木または小高木。葉は互生し、縁(へり)には鋸歯(きょし)または重鋸歯があり、雌雄同株で、雌雄両花序ともに芽中で越冬し、春の開芽とともに開く。雄花序は開花とともに垂れ下がる。雌花序は枝先につき、熟すと垂れ下がって果穂となる。果穂には多くの包葉がつき、その基部に米粒大の堅果ができる。山地の森林内に、ほかの木に混じって生えることが多い。北半球の温帯暖帯に30~40種あり、日本には5種分布する。名は、果穂が垂れ下がる状態を、注連縄(しめなわ)や玉串(たまぐし)などに下げる四手(しで)に見立てたものである。

[菊沢喜八郎 2020年2月17日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シデ」の意味・わかりやすい解説

シデ
Sidē

小アジアのパンフリア沿岸にあった古代港町。現トルコのセリミエ。前 15世紀頃に建設されたといわれ,前7~6世紀にキュメの植民地となったが異民族の要素が強く,ギリシア人から悪徳の町と評された。良港に恵まれ,前 333年アレクサンドロス3世 (大王) が占領。前 190年にセレウコス朝シリアの王アンチオコス3世が海戦で敗れたことで知られる。前2~1世紀にはキリキア海賊の根拠地となった。のちローマ領となり繁栄したが4世紀には衰退

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android