シャジクモ(車軸藻)(読み)シャジクモ(英語表記)Chara; stone wort

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャジクモ(車軸藻)」の意味・わかりやすい解説

シャジクモ(車軸藻)
シャジクモ
Chara; stone wort

淡水産の藻類広義緑藻類に入れられる場合もあるが,一般の緑藻類とは著しく異なる点があるので,特に輪藻類を設けて,狭義の緑藻類と分ける場合が多い。長円筒形の細胞が並んで茎状になり,ところどころの節から分枝を輪生する。下根は仮根状になって水底の泥中に入っている。全長数 cmの小型のものもあるが,水中深いところに産するものなどでは 1m以上になるものもある。一般の緑藻類にみられるような遊走子による無性生殖はまったく行われず,輪生枝が変形して生じた生卵器造精器によって有性生殖が行われる。造精器中の毛状枝は無数の細胞に分れて,それから精虫が泳ぎ出し,生卵器内にある卵細胞に達して受精する。シャジクモ属には少くとも 80種が知られている。なお,シャジクモ属と同じような体制と生殖器官をもつフラスコモ属 Nitellaほか数属のものもこの輪藻類に入れられる。

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