シャビスタリー(読み)しゃびすたりー(英語表記)Mamūd Shabistarī

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャビスタリー」の意味・わかりやすい解説

シャビスタリー
しゃびすたりー
Mamūd Shabistarī
(?―1320)

ペルシア神秘主義詩人。タブリーズ出身生涯は不明。1311年制作の叙事詩『秘密の花園』で文学史上特筆される。神秘主義の表象的術語について問答形式によって詠まれ、約1000句からなる。この詩集は、19世紀前半から西欧の東洋学者に高く評価され、翻訳書、研究書が相次いで出版された。ペルシア神秘主義の貴重な資料として、のちにイランで詳細な注釈書が刊行された。

[黒柳恒男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャビスタリー」の意味・わかりやすい解説

シャビスタリー
Shabistarī, Shaykh Maḥmūd

[生]?
[没]1320頃
ペルシアの神秘主義詩人。主著『秘密の花園』 Gulshan-e rāz (1311) は神秘主義の象徴的術語を問答形式によって作詩した叙事詩形の作品。 19世紀前半において神秘主義研究の資料として西欧の学者に高く評価されたが,今日では他の貴重な資料が多く発見,刊行されたため,かつての価値は失われた。

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