シャンティイ(英語表記)Chantilly

デジタル大辞泉 「シャンティイ」の意味・読み・例文・類語

シャンティイ【Chantilly】[地名]

フランス北部、オー‐ド‐フランス地方オワーズ県の都市。パリ北方約40キロメートルに位置し、ノネット川に面する。コンデ公の居城だったルネサンス様式のシャンティイ城があることで知られる。

シャンティイ(〈フランス〉chantilly)

泡立てた生クリーム。また、それを用いたソース料理菓子などの名に付けたりもする。フランスのシャンティイ城で考案されたことに由来する。「シャンティイソース」
[補説]地名別項。→シャンティイ

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改訂新版 世界大百科事典 「シャンティイ」の意味・わかりやすい解説

シャンティイ
Chantilly

フランス北部,オアズ県の町。人口1万0208(1982)。パリの北北東42km,同名の森に囲まれている。1528-32年,指折りの名門貴族モンモランシー元帥が建造した,ルネサンス様式の壮麗な城館により名高い。この城は17世紀に筆頭親王家であったコンデ家の手に移るが,代々のコンデ公は城館の増築庭園の整備に努めた。大コンデの時代には,モリエール,ラ・フォンテーヌなど多くの文人を集め豪華な宴を催して,さながら君侯宮廷の趣を呈したという。現在はフランス学士院の管理下にあり,コンデ博物館が置かれ,《いとも華麗なるベリー公の時禱書》やクルーエClouet父子による肖像画など,すぐれたコレクションで名高い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャンティイ」の意味・わかりやすい解説

シャンティイ
しゃんてぃい
Chantilly

フランス北部、イル・ド・フランス地方オアーズ県の住宅・保養都市。人口1万0902(1999)。パリの北42キロメートル、シャンティイの森の北の外れ、ノネット川の河畔に位置する。18世紀にはレース織と陶磁器産地として知られ、第一次世界大戦中にはフランス軍総司令部が置かれた。町の北東には、かつてコンデ公の居城(1643~1830)であり、みごとな庭園に囲まれたシャンティイ城があり、現在はコンデ美術館(有名な『ベリー公のいとも豪華なる時祷書(じとうしょ)』を所蔵)となっている。町の南西には競馬場があり、6月に行われるレースや調教センターとして知られる。観光の名所でもある。

高橋 正]

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