シヤン(湘)江(読み)シヤンこう(英語表記)Xiang jiang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シヤン(湘)江」の意味・わかりやすい解説

シヤン(湘)江
シヤンこう
Xiang jiang

中国南東部,フーナン (湖南) 省東部を貫流する川。コワンシー (広西) チワン (壮) 族自治区北東部のハイヤンシャン (海洋山) 山脈に発し,トンティン (洞庭) 湖に注ぐ。全長 817km。フーナン省での流域面積は8万 5400km2で,省域の 40%を占める。下流域はトンティン湖平原の南東部にあたり,また中流は丘陵地の広い谷や盆地を流れており,いずれも省の主要な稲作地帯である。河岸にはチャンシャー (長沙) 市,シヤンタン (湘潭) 市,ホンヤン (衡陽) 市などが立地している。上流のナンリン (南嶺) 山地にはマツ類やスギ類が繁茂し,ヤオ (瑤) 杉と呼ばれる優良材を産する。本流,支流とも,古くからチャン (長) 江流域と華南地方,西南地方を結ぶ重要な交通路であった。チンコワン (京広) 鉄道がほぼ並行するが,現在も物資輸送に大きな役割を果している。大型汽船がシヤンタン市まで,小型船はほぼ全域を航行できる。コワンシーチワン族自治区のシンアン (興安) 県には,チュー (珠) 江水系と結ぶために秦代に開削されたリン (霊) 渠が残っている。 1967年,支流のリエン (漣) 水から水を引いてシャオシャン (韶山) 灌漑区が建設された。オウヤンハイ (欧陽海) ダム,トン (東) 江ダムなどもあり,灌漑に利用されるほか発電も行われている。

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