シュタムラー(英語表記)Rudolf Stammler

デジタル大辞泉 「シュタムラー」の意味・読み・例文・類語

シュタムラー(Rudolf Stammler)

[1856~1938]ドイツ法哲学者。新カント学派の法哲学を樹立。著「経済と法」「法哲学教科書」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「シュタムラー」の意味・読み・例文・類語

シュタムラー

(Rudolf Stammler ルドルフ━) ドイツの法哲学者。新カント学派(マールブルク学派)の代表者の一人。カントの批判主義方法を法理論に導入し、法の純粋形式(純粋法学)を追究した。マールブルクベルリン大学教授などを歴任。著に「経済と法」「正法論」など。(一八五六‐一九三八

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「シュタムラー」の意味・わかりやすい解説

シュタムラー
Rudolf Stammler
生没年:1856-1938

ドイツの法哲学者。H.コーエン,P.ナトルプなどの影響を受けた,新カント学派(マールブルク学派)法哲学の創始者の一人。マールブルク大学,ギーセン大学,ハレ大学,ベルリン大学の各教授。法実証主義を批判し,法理念考察の必要性を説いた。そのためカントの批判主義の方法を導入し法の純粋形式の探究に努めた。法の概念を,いっさいの経験内容を捨象した〈不可侵的で自主的に結合する意欲〉に求め,普遍妥当的な法理念として〈自由に意欲する人々の共同体〉の理念を示した。他方シュタムラーによれば,この法理念は実定法を直接的に規制するのではない。究極的な法理念と具体的法判断の間には両者を媒介するものが存在する。これが有名な〈可変的内容をもつ自然法〉ないし〈正法〉である。シュタムラーの法哲学に対しては,法理念の重要性を再認識させまた現代自然法論に影響を与えたとする積極的評価がなされる一方,法理念の形式性と具体的社会理想を混同しているとの批判も存在する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュタムラー」の意味・わかりやすい解説

シュタムラー
Stammler, Rudolf

[生]1856.2.19. アルスフェルド
[没]1938.4.25. ベルニンゲローデ
ドイツの法哲学者。新カント派の代表的学者で 20世紀の法哲学界に新風を吹込んだ。 1882年以来マールブルクその他の大学の法哲学の教授を歴任。主著『経済と法』 Wirtschaft und Recht (1896) において社会的理想主義の立場から唯物史観を批判し,『正法の理論』 Die Lehre von dem richtigen Rechte (1902) では,内容の変化する自然法という観念を確立した。『法哲学教科書』 Lehrbuch der Rechtsphilosophie (22) は,彼の所論を整理し概説したものである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「シュタムラー」の意味・わかりやすい解説

シュタムラー

ドイツの法哲学者。マールブルク,ハレ,ベルリン大学等の教授を歴任。新カント学派のマールブルク学派に属し,カントの批判的方法を推し進めて法の純粋形式を求め,正法(自由に意欲する人びとの共同体により規定される秩序)の理念に基づく法理論体系を樹立した。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

367日誕生日大事典 「シュタムラー」の解説

シュタムラー

生年月日:1856年2月19日
ドイツの法哲学者
1938年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android