シュピッツウェーク(英語表記)Carl Spitzweg

改訂新版 世界大百科事典 「シュピッツウェーク」の意味・わかりやすい解説

シュピッツウェーク
Carl Spitzweg
生没年:1808-85

ドイツ画家薬剤師から独学画業に転じ,生地ミュンヘンで活動。その作品は,17世紀オランダ風俗画フランスバルビゾン派技法に学んだ風俗画の小品が多い。とりわけ,代表作《貧しき詩人》(1839)など,ビーダーマイヤー時代のドイツの小市民生活を温かいユーモアをもって描き出した諸作品は,ドイツにおいて最も広く愛好されてきた19世紀絵画のひとつと言えよう。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュピッツウェーク」の意味・わかりやすい解説

シュピッツウェーク
Spitzweg, Carl

[生]1808.2.5. ミュンヘン
[没]1885.9.22. ミュンヘン
ドイツの画家。ビーダーマイアー様式の指導的画家の一人。初め薬学を学んだが,1833年画業に転じ独学。雑誌"Fliegende Blätter"や"Nürubeger Trichter"などに素描を発表するとともに,小市民の日常生活を軽妙な筆致で描いた。主要作品『貧しい詩人』 (1839,ミュンヘン,ノイエ・ピナコテーク) ,『出立』 (64,ミュンヘン,シャック画廊) など。作風フランドル派バルビゾン派の影響を受け,素直な自然観照に基づくやわらかい明暗表現と微妙な色彩効果を特徴とする。

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