ショウブ(菖蒲)(読み)ショウブ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ショウブ(菖蒲)」の意味・わかりやすい解説

ショウブ(菖蒲)
ショウブ

(1) Acorus calamus var. asiaticusサトイモ科の多年草。日本をはじめアジア東部に分布する。水辺の泥地に群生して根茎が長く横走し,その先端から葉が株をなして直立する。高さ 70cm内外になる。葉は剣状で,幅1~2cm,葉脚は茎を抱いている。花茎は葉間からぬき出るがその形状は葉によく似ている。初夏に,花茎の片側のなかほどに長さ約 5cmの円柱形で淡黄緑色の肉穂花序が斜めに立上がる。個々の花は細かく,花軸上に密生する。両性花で,広線状長方形の花被片6枚があり,おしべは6本で白色の長い花糸に黄色の葯 (やく) をつける。めしべは短い楕円形の子房をもつ。全草に強い芳香がある。薬用とし,また端午節句にこれを風呂に入れて菖蒲湯とすると,健康を保つという風習がある。 (2) ハナショウブ (花菖蒲)Iris ensata var. hortensis略称ハナショウブアヤメ科の多年草であり,葉は剣状でショウブに似ているが,花はまったく異なる。

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