ショットキー(英語表記)Walter Schottky

改訂新版 世界大百科事典 「ショットキー」の意味・わかりやすい解説

ショットキー
Walter Schottky
生没年:1883-1976

スイス出身でドイツで活躍した物理学者。電子放出や整流現象を研究し,高周波増幅を安定に行える遮へい格子四極真空管を発明した。チューリヒに生まれ,ベルリン大学でM.プランクの下で学んだ。ロストク大学の教授をつとめ,ジーメンス社の通信研究所を指導した。金属から真空への電子放出を研究し,鏡像力を考慮したショットキー放出の理論を発表,そして,電子放出の不均一性による真空管の雑音について解明した。また,半導体と金属の接触を研究し,1939年ころにショットキーバリヤー理論や拡散整流理論を提唱した。ショットキーは,トランジスター登場以前の半導体研究をリードしたパイオニアの一人であった。彼の業績は,固体格子のショットキー欠陥やショットキーダイオードなどにも名を残している。
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367日誕生日大事典 「ショットキー」の解説

ショットキー

生年月日:1886年7月23日
ドイツ(スイス生まれ)の物理学者
1976年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のショットキーの言及

【集積回路】より

…トランジスターでプレーナー技術を開発したフェアチャイルド社は,直ちにICへの応用を開始し,以後両社はIC産業において先導的役割を果たしてきた。
[MOS ICの発達]
 一方,半導体の表面物性に関する研究は長い歴史があり,1939年には,ショットキーW.Schottky(1886‐1976)の表面障壁の理論が出され,今日でもショットキーバリアSchottky barrierとしてLSIに利用されている。また,1935年にはヘイルO.Heilが現在のMOSトランジスター(MOSはmetal oxide semiconductorの略で,金属と半導体の間にケイ素酸化物などの薄い絶縁層をはさんで作ったトランジスター)の基本的特許を出願している。…

【集積回路】より

…トランジスターでプレーナー技術を開発したフェアチャイルド社は,直ちにICへの応用を開始し,以後両社はIC産業において先導的役割を果たしてきた。
[MOS ICの発達]
 一方,半導体の表面物性に関する研究は長い歴史があり,1939年には,ショットキーW.Schottky(1886‐1976)の表面障壁の理論が出され,今日でもショットキーバリアSchottky barrierとしてLSIに利用されている。また,1935年にはヘイルO.Heilが現在のMOSトランジスター(MOSはmetal oxide semiconductorの略で,金属と半導体の間にケイ素酸化物などの薄い絶縁層をはさんで作ったトランジスター)の基本的特許を出願している。…

※「ショットキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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