シリウス・イタリクス(英語表記)Silius Italicus, Tiberius Catius Asconius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シリウス・イタリクス」の意味・わかりやすい解説

シリウス・イタリクス
Silius Italicus, Tiberius Catius Asconius

[生]25/26. パタウィウム(現パドバ)?
[没]101
ローマ叙事詩人。ネロ帝のもとで,68年に執政官。その後アシア総督になり,引退後,文芸愛好家として余生をおくった。代表作『ポエニ戦役』 Punica (17巻) は,ハンニバル誓言からザマの役におけるスキピオの勝利にいたる第2次ポエニ戦争を歌う叙事詩で,材料はリウィウスからとり,形式はウェルギリウスルカヌスに学んでいる。ローマの叙事詩のなかで最も長い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリウス・イタリクス」の意味・わかりやすい解説

シリウス・イタリクス
しりうすいたりくす
Silius Italicus
(26ころ―101)

古代ローマの詩人。ローマで政治家として出発し、68年にはネロ皇帝の最後の執政官(コンスル)となり、またアジアにおける行政でも名をあげたが、その後は引退し、芸術を愛好して余裕のある生活を送った。最後は不治の病にかかり、食を断って自ら餓死したという。カルタゴとローマの対決を扱った一万数千行に及ぶ叙事詩『ポエニ戦詩』(全17巻)を書いている。

[引地正俊]

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