シロスジフジツボ(読み)しろすじふじつぼ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シロスジフジツボ」の意味・わかりやすい解説

シロスジフジツボ
Balanus albicostatus

顎脚綱無柄目フジツボ科(→フジツボ類)。直径 2cm。殻口は広く,ほぼ五角形。各殻板は灰褐色ないし暗紫灰色で,数本の太い白色縦走肋をもつ。内湾性で,特に河口付近の岩礁桟橋橋桁などに群生して固着し,低塩分濃度によく耐える。本州各地から台湾,中国に分布する。近縁のドロフジツボ B. kondakovi はやや泥質地に多く,殻表が平滑で背が高い。(→顎脚類甲殻類節足動物

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロスジフジツボ」の意味・わかりやすい解説

シロスジフジツボ
しろすじふじつぼ / 白筋藤壺
[学] Balanus albicostatus

節足動物門甲殻綱完胸目フジツボ科に属する海産動物。直径2センチメートル内外、円錐(えんすい)形の典型的なフジツボで、殻口がやや広くて五角形に近い。各殻板には数本の強い白色縦走肋(ろく)がある。本州中部以南の各地、中国、台湾まで分布し、内湾の岩礁、桟橋、河口の岩などに群がって固着し、低い塩分濃度によく耐える。ごく近縁のドロフジツボB. ulginosusも、塩分濃度の低い泥質地の杭(くい)などに固着するが、背板が鋭くとがり、殻表が滑らかで暗紫色の縦走条があるので識別できる。

[武田正倫]

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世界大百科事典(旧版)内のシロスジフジツボの言及

【サラサフジツボ】より

…船底以外に,低潮線以深にある石や貝殻の上などにも付着している。塩分濃度の低い内湾などには,近縁のタテジマフジツボB.amphitriteが生息し,いかだや船底に多く付着し,シロスジフジツボB.a.albicostatusは岩上および橋脚などに多く着生する。第2次世界大戦後,船底に付着して移入されたものにヨーロッパフジツボB.improvisusやアメリカフジツボB.eburneusなどがあり,全国に広まりつつある。…

※「シロスジフジツボ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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