精選版 日本国語大辞典 「シンプソン」の意味・読み・例文・類語
シンプソン
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イギリスの産科医。エジンバラ大学で医学を学び,1835年に卒業。その後同大学産科学課外教授を経て,40年産科学教授となった。エーテル麻酔が外科手術に応用されたのは,46年10月16日マサチューセッツ総合病院でW.T.G.モートンが考案した器具を用いて行われた例が最初とされているが,産科領域でエーテル麻酔が用いられた第1例は,翌47年1月19日にエジンバラでシンプソンが難産に立ち会った際実施したものとされる。しかしエーテルのにおいは産婦に耐え難いため,揮発性のガスをいろいろ試みているうちに,化学者D.ウェルディの示唆を受けてクロロホルムを使用することを思いつき,同年11月発表した。これに対して,当時教会を中心に猛反対があったが,53年にビクトリア女王の出産に際して,J.スノーがクロロホルム麻酔を応用して成功したことから認められるようになった。
執筆者:秋元 寿恵夫
アメリカの進化学者,古生物学者。シカゴ生れ。語学に堪能で,初め文学を志すが,コロラド大学在学中に古生物学に関心を転じ,イェール大学に移る。3年で博士号を取り,1927年から59年までアメリカ自然史博物館で研究に従事(45年からはコロンビア大学教授を兼任)。55年に南アメリカを調査中に倒木の下になり重傷を負い,3年間病床に伏し,これを機に博物館を退職。59年よりハーバード大学教授となる。40年代から50年代にかけて現代進化学説(総合学説)の構築に大きく寄与。哺乳類を中心にした化石の証拠に基づいて進化の様式を明らかにし,遺伝学と分類学による進化学説でそれが説明できることを論じた。主著に《進化の速さと様式》(1944),《進化の意味》(1949),《馬と進化》(1951),《動物分類学の基礎》(1974)などがある。
執筆者:浦本 昌紀
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…一方それまで医学において遅れていたドイツのベルリンにもCollegium medicochirurgicumが設立され,ようやく医学の一分野としての外科の立場が認められるようになった。 19世紀に入って,アメリカのロングCrawford Williamson Long(1842),ウェルズHorace Wells(1844),W.T.G.モートン(1846)やイギリスのシンプソンJames Young Simpson(1847)らによる全身麻酔法,L.パスツール(1861)の腐敗現象は空気中の微生物によるという報告に基づいたI.P.ゼンメルワイス(1847),J.リスター(1867)らによる制腐消毒法,ベルクマンErnst von Bergmann(1886)やシンメルブッシュCurt Schimmelbusch(1889)による無菌法,エスマルヒJohann Friedrich August von Esmarch(1823‐1908)による駆血帯の使用は,その後の外科手術を飛躍的に進歩させることとなった。すなわち,ランゲンベックBernhard Rudolf Conrad von Langenbeck(1810‐87)の子宮全摘出術,ティールシュCarl Thiersch(1822‐95)の植皮術,フォルクマンRichard von Volkmann(1830‐89)の直腸癌手術,ビルロートTheodor Billroth(1829‐94)の胃切除術の成功例が報告されるようになった。…
…一方それまで医学において遅れていたドイツのベルリンにもCollegium medicochirurgicumが設立され,ようやく医学の一分野としての外科の立場が認められるようになった。 19世紀に入って,アメリカのロングCrawford Williamson Long(1842),ウェルズHorace Wells(1844),W.T.G.モートン(1846)やイギリスのシンプソンJames Young Simpson(1847)らによる全身麻酔法,L.パスツール(1861)の腐敗現象は空気中の微生物によるという報告に基づいたI.P.ゼンメルワイス(1847),J.リスター(1867)らによる制腐消毒法,ベルクマンErnst von Bergmann(1886)やシンメルブッシュCurt Schimmelbusch(1889)による無菌法,エスマルヒJohann Friedrich August von Esmarch(1823‐1908)による駆血帯の使用は,その後の外科手術を飛躍的に進歩させることとなった。すなわち,ランゲンベックBernhard Rudolf Conrad von Langenbeck(1810‐87)の子宮全摘出術,ティールシュCarl Thiersch(1822‐95)の植皮術,フォルクマンRichard von Volkmann(1830‐89)の直腸癌手術,ビルロートTheodor Billroth(1829‐94)の胃切除術の成功例が報告されるようになった。…
※「シンプソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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