スイダス(英語表記)Souidas

改訂新版 世界大百科事典 「スイダス」の意味・わかりやすい解説

スイダス
Souidas

10世紀末にビザンティン帝国で編纂された古代ギリシア文化についての百科事典。名称は正しくはスダSoudaである。典拠として,従前からあったハルポクラティオン等の辞典類やビザンティン時代の摘要集ばかりでなく,ホメロスソフォクレスアリストファネスらへの古注の記事や,ヘシュキオス人名事典も利用されており,断片的にではあっても古代における古典研究の成果を伝えている貴重な資料となっている。ルネサンス時代に西ヨーロッパにギリシア古典を伝えたビザンティンの学者にも,好んで参考書として用いられた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スイダス」の意味・わかりやすい解説

スイダス
Sūidās

10世紀末頃ビザンチンで編纂された百科全書的辞書。『スーダ』 Sudaともいう。ギリシアの文学と歴史に関する多くの貴重な項目を含み,失われた作品からの無数の断片を伝えている。古代の辞書,古注,歴史家や文学研究者の抜粋,ミレトスのヘシュキオスの人名事典などから事項を集め,また原典については,ホメロスとその古注,ソフォクレス,アリストファネス,『ギリシア詞華集』からは直接に,その他は後世の抜粋集から引用している。

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