スタンコビッチ(英語表記)Borisav Stanković

改訂新版 世界大百科事典 「スタンコビッチ」の意味・わかりやすい解説

スタンコビッチ
Borisav Stanković
生没年:1875-1927

ユーゴスラビア小説家戯曲家。セルビア南部ブラニエの生れ。ベオグラード法律を学び,さまざまな職種官吏になった。東洋的な色彩に富んだ故郷をしのび,リアリズムセンチメンタリズムの混合した筆致で,特に肉感的な女性を好んで描いた。なかでも,《汚れた血》(1910)の忌まわしい婚姻制度の犠牲者ソフカ,戯曲《コシュタナ》(1902)のジプシーの歌姫コシュタナは特に有名である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタンコビッチ」の意味・わかりやすい解説

スタンコビッチ
Stanković, Bora Borisav

[生]1876.3.22. ブラニェ
[没]1927.10.22. ベオグラード
セルビアの小説家。自然主義代表作『汚れた血』 Nečista krv (1910) などがある。

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世界大百科事典(旧版)内のスタンコビッチの言及

【ユーゴスラビア】より

… 近代に入ると,リュブリャナの市民はユルチッチの悲劇《トゥゴメル》(1876)や《ベロニカ》(1886)に涙し,ツァンカルの社会劇《ヤコブ・ルーダ》(1900)や《ベタイノバの王》(1902)によって愛国心と正義心を培った。ベオグラードの劇場では,トルコ色豊かなセルビア南部を舞台にジプシーの歌姫が恋のたくらみを繰りひろげるスタンコビッチの《コシュタナ》(1902)が人気を博し,ヌシッチの《怪しい奴》(1888)や《大臣夫人》(1931)も,官僚主義や成上り者を皮肉って人々の溜飲を下げた。サラエボの人々はコチッチPetar Kočić(1877-1916)の《むじな裁判》(1904)を見ながら,オーストリアの官僚主義を心ゆくまで笑いとばした。…

※「スタンコビッチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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