精選版 日本国語大辞典 「スチュワード」の意味・読み・例文・類語
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アメリカの文化人類学者。1950年代に文化変化の多系性を主張して多系進化説をたて,一般進化を説くL.A.ホワイトとともに新進化主義者とされた。カリフォルニア大学バークリー校でクローバー,ローウィらに学び,西部諸州の採集と小動物狩猟のインディアンを研究,文化生態学,文化統合のレベルなどの概念を確立した。スミソニアン研究所社会人類学部長として南アメリカのインディオ研究を集成してアメリカ人類学界の最高の栄誉バイキング・メダルを受けた。のちコロンビア大学でプエルト・リコ文化の研究,イリノイ大学に移って文化変化の通文化的法則性の研究を主宰した。主著《文化変化の研究》(1955)ほか多数の業績を残した。
執筆者:米山 俊直
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…そのうちメソアメリカと中央アンデスの2領域では,その後の文化的・社会的発展が急速で,文明社会を形成,この両地域は核アメリカともよばれる。 中南米インディアンの文化領域について,J.スチュワードは,(1)メキシコ・マヤ高文明地域,(2)中央アンデス高文明地域,(3)砂漠農耕地域,(4)環カリブ海部族連合・首長国地域,(5)熱帯雨林農耕村落地域,(6)採集・狩猟民地域に分け,G.ウィレーは10地域に分類する。以下,スチュワードの分類をもとに,各地域の原住民文化の特徴をかいつまんでみてゆく。…
…文化を適応体系と見る立場は,技術,経済,生産に結びついた社会組織の要素が文化の中心的な領域と見る。ハリスM.Harrisの〈文化物質主義cultural materialism〉,サービスE.Serviceの〈文化進化主義cultural evolutionism〉,またスチュワードに由来する〈文化生態学cultural ecology〉,ラパポートR.Rappaportらの〈人類生態学human ecology〉などの間には,それぞれ適応の変化がいかに生まれ,いかに行われるかについて異なった見解がみられるが,ラパポートを除き,いずれも経済とそれに関連する社会的側面を第一義的な要因と考え,観念体系(宗教,儀礼,世界観など)を二義的な随伴現象とみる点では共通している。ラパポートは,儀礼の周期を適応体系の構成要素としてとらえている。…
※「スチュワード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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