ストリップ・ミル(読み)すとりっぷみる(英語表記)strip mill

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストリップ・ミル」の意味・わかりやすい解説

ストリップ・ミル
すとりっぷみる
strip mill

広幅帯鋼連続圧延機。プロセスからプロセスへコイルの形で移動させる薄板圧延法が1920年代のアメリカに始まり、全世界に広まった。熱間ストリップ・ミルの形式には全連続式と半連続式とがあり、後者は一台の逆転式粗圧延機で粗圧延を行う点が前者と異なる。代表的なものは粗スケールブレーカー、鋳鋼ロールをもつ粗圧延機、六台のチルドロールをもつ四段仕上げ圧延機を直列にした構造になっている。冷間ストリップ・ミルの形式には単独スタンド可逆転式、3~6スタンド連続タンデムミルなどがある。六スタンド連続式タンデムミルの最高速度は1分間に7000フィートにも達する。いずれも品位の高い鋼板を大量に廉価に、かつ任意の長さで得られ、昔のプルオーバー圧延機に比べて著しく生産性が高い。

[志村宗昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストリップ・ミル」の意味・わかりやすい解説

ストリップ・ミル
strip mill

鋼,アルミニウム,銅などを圧延して帯状の薄板を作る連続式圧延機。鋼板の場合,加熱炉で熱された鋼塊 (スラブ) を粗圧延機で厚さ数十 mm程度に圧延し,さらに仕上げ圧延機で厚さ数 mmに圧延した薄板をコイル状に巻取る。このホットコイル (熱延鋼板) を加熱しないでもう1度ストリップ・ミルで連続圧延して得られるコールドコイル (冷延鋼板) は,強度精度がさらによいので,自動車のボディ用の薄板などに用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android