ストロボ(読み)すとろぼ(英語表記)strobe

翻訳|strobe

精選版 日本国語大辞典 「ストロボ」の意味・読み・例文・類語

ストロボ

〘名〙
① (stroboscopic lamp の略。本来アメリカの商標名) 写真撮影用の電子放電閃光(せんこう)装置フラッシュと違い、くりかえし使用することができる。
② 「ストロボスコープ」の略。

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デジタル大辞泉 「ストロボ」の意味・読み・例文・類語

ストロボ(strobe)

写真撮影用の閃光せんこう装置。キセノンガスを封入した放電管を光源とし、直流電流コンデンサーに蓄電しておき、カメラ側のシャッターと連動して閃光を発生させるもの。繰り返して使用できる。スピードライト。フラッシュ。エレクトロニックフラッシュ
ストロボスコープ」の略。
[類語]閃光閃きスパークフラッシュ一閃光る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストロボ」の意味・わかりやすい解説

ストロボ
すとろぼ
strobe

キセノン放電管による電子閃光(せんこう)を利用した写真用人工光源。1939年アメリカのハロルド・エジャートンによって発明された。ストロボという名称はストロボ・リサーチ社の商品名だが、今日では一般名として使用され、スピード・ライト、エレクトロニック・フラッシュともよばれる。非常に短時間(数百分の1~数万分の1秒)に発光する光質は昼光に近く、携帯に便利な小型のものがつくられるようになったので、写真用人工光源として現在広く使用される。また、ストロボは写真用以外にも空港への進入灯舞台照明などに利用されている。

 オートストロボは、自動調光ストロボともいい、フィルムの感度とストロボの強さにより決められた絞りにセットしておくと、ストロボまたはカメラに内蔵された受光素子が、被写体に当たって返ってくる光の強さを検出し、標準露光量に達すると発光を自動的に停止させる構造のものである。このとき余分の発光エネルギーを、機内のバイパス放電管に流すタイプをバイパス方式、機内に蓄えておくものを直列制御(シリーズ)方式とよぶが、後者のほうが電源のもちがよく、近距離の撮影では発光間隔が短縮される利点がある。いずれの場合も近距離撮影では発光時間が1万分の1秒ぐらいまでにきわめて短くなる。

 マルチストロボは、非常に短時間に繰り返し発光することができるような構造のものをいい、運動の分解写真撮影や、またその応用として舞台照明などに使用されている。

 赤外線ストロボは、ストロボ発光部の前面黒色の赤外線フィルターを付して、ストロボ光中の赤外線のみが照射されるような構造としたものをいい、赤外線写真撮影などに使用される。

[伊藤詩唱]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストロボ」の意味・わかりやすい解説

ストロボ
strobe light

写真撮影用人工光源の一種。エレクトロニック・フラッシュ,スピードライトなどとも呼ばれる。ガラスや石英管内にキセノン,クリプトンなどの希ガスを満たし,管の両極に電極を閉じ込めて,直流高圧電流を通じ,瞬間的に放電,発光させる装置。 1/500~1/2000 秒の瞬間発光,昼光に近い色温度 (6000 K) ,冷光源,反復使用可能などの特徴から,閃光電球に代って急速に写真界に普及した。電源に一般電灯線,積層乾電池,ニッケル-カドミウム電池,アルカリ乾電池など各種を使うものがある。 1931年アメリカ,マサチューセッツ工科大学の H.エッジャートン,M.ゲルメスハーゼンが,機器などの高速回転部分を,周期的な瞬間的発光で停止した状態にして観測する方法として開発したストロボライトから,写真撮影用に改良されたもの。

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カメラマン写真用語辞典 「ストロボ」の解説

ストロボ

 キセノンガスを封入したガラス管に放電することで閃光を発生させるフラッシュ装置の一種。マサチューセッツ工科大学のHarold Edgertonによって発明された。現在ではフラッシュと言えば、このストロボを指す。なお、ストロボは商品名で、英語ではelectronic flash(エレクトロニックフラッシュ)またはspeedlight(スピードライト)という。閃光時間が短く、色温度が昼間の太陽光に近いのが特徴。写真用の 光源 としてスタジオ内での商品撮影から、コンパクトカメラの内蔵用まで広く使われる。 → 自然光

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ストロボ」の解説

ストロボ

カメラのシャッターボタンを押すと瞬間的に発光する照明装置のこと。暗い場所での撮影や、逆光での撮影時に利用する。また、デジタルカメラには、ストロボと遅いシャッタースピードを併用して撮影する「スローシンクロモード」が搭載されたものもあり、夜景を背景に人物を撮影するような場合に利用する。

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デジタル大辞泉プラス 「ストロボ」の解説

ストロボ

真保裕一の長編小説。2000年刊行。写真家である主人公の仕事と人生を、フィルムを巻き戻すかのように遡る物語。

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