ストークスシフト(英語表記)Stokes shift

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストークスシフト」の意味・わかりやすい解説

ストークスシフト
Stokes shift

ケイ光体外部から光を照射すると,ケイ光を生じるが,その波長多くの場合,照射光の波長より長いという法則。その原因は光のエネルギーが波長に反比例するので,光から得たエネルギーの一部振動のエネルギーなどに変えて,残りを再び光の放出により失うので,その光のエネルギーがもとより小さくなって,波長が長くなる。逆に,振動のエネルギーをもらって,さらにエネルギーの高い状態から光を放出すると,ケイ光の波長は短くなる。長波長のものをストークス線,短波長のものを反ストークス線と呼ぶ。

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法則の辞典 「ストークスシフト」の解説

ストークスシフト【Stokes shift】

蛍光スペクトルの線や帯が,吸収線吸収帯よりも長波長側へずれる現象

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のストークスシフトの言及

【ストークスの法則】より

…【橋本 英典】(2)光ルミネセンスの蛍光スペクトルは励起光より長波長であるという法則。光子のエネルギーがその波長の逆数に比例することに基づく現象で,ストークスシフトStokes shiftと呼ばれる。ストークスが実験によって確かめたものであるが例外もある。…

【ルミネセンス】より

…すなわち,光ルミネセンスの場合,発光の波長は励起に用いた光の波長と同じかまたは長くなる。この現象をストークスシフト(ストークスの法則)という。 単原子分子の場合には,励起された電子準位はそのままの状態で発光するが,複数の原子から構成されている分子の気体や固体の場合は,励起された状態で原子間隔や格子がエネルギーを最小とするように変化し,緩和励起状態に移行して後に発光する。…

※「ストークスシフト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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