日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スピノラ(António Sebastião Ribeiro de Spínola)
すぴのら
António Sebastião Ribeiro de Spínola
(1910―1996)
ポルトガルの軍人、政治家。当時、植民地であったギニア・ビサウの総督兼駐留軍司令官(1968~1973)として軍事と行政の両面で名をあげ、1973年国軍参謀次長に任命されるが、1974年『ポルトガルとその将来』を著して政府の軍事偏重の植民地統治策を批判し解任された。こうして若手将校たちの希望の星となった彼は、1974年4月の軍事クーデターの成功により5月に大統領となるが、ゴンサルベス内閣の左翼急進主義と衝突して9月に辞任した。翌1975年3月の反政府クーデターに失敗し、ブラジルに亡命したが、軍急進派の失脚後の1976年に帰国した。
[平瀬徹也]
『金七紀男訳『ポルトガルとその将来――国家の状況分析』(1975・時事通信社)』
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