スローン・デジタル・スカイサーベイ(読み)すろーんでじたるすかいさーべい(英語表記)Sloan Digital Sky Survey

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

スローン・デジタル・スカイサーベイ
すろーんでじたるすかいさーべい
Sloan Digital Sky Survey

可視光で全天の一定の領域を観測して宇宙の三次元地図を作成するプロジェクト。略称SDSSスカイサーベイとは、天空の一定の地域を詳細に観測する掃天観測のことをいう。SDSSは、米欧の研究機関と日本参加グループ(東京大学、国立天文台など)が共同で進めている銀河の広域撮像分光サーベイである。アメリカ合衆国ニューメキシコ州のアパッチポイント天文台にあるSDSS専用の口径2.5メートルの反射望遠鏡を使い、五つの可視光のバンドで撮像して2005年までに2億個以上の天体の位置と明るさを測定した。そのなかから約100万個の銀河と約10万個のクエーサーについては分光観測を行い、赤方偏移を求め、詳細な宇宙の三次元地図を作成した(第1次サーベイ)。

 その後の第2次(2005~2008)・第3次(2008~2014)・第4次(2014~2020)サーベイでは、銀河系の進化を調べるための銀河系内の星の観測、さらに広い範囲を観測するサーベイ、宇宙膨張を研究するための超新星サーベイ、南天・北天の銀河系の探査、近傍銀河の面分光、銀河とクエーサーの探査によるダークエネルギー研究などが進められた。観測結果は、研究および教育用に公開されている。2020年(令和2)からは、第5次サーベイが行われてている。なお、スローンとは研究資金援助を行ったアルフレッド・P・スローン財団の名称による。

[編集部 2023年2月16日]

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