スールー[諸島](読み)スールー

百科事典マイペディア 「スールー[諸島]」の意味・わかりやすい解説

スールー[諸島]【スールー】

フィリピン南西部,ミンダナオ島北ボルネオとの間に散在する958の島からなる諸島。スルー諸島とも。行政的には3州に分かれ,合計で75万6000人(1980)。4014km2。主島はホロ島タウィタウィ島。火山性の島が多い。住民はイスラム教徒タウスグ人,サマ人,バジャウ人などで,モロと総称される。古く13世紀ごろから中国人,マレー人と交易のあった地で,真珠貝その他海産物に富む。14世紀にイスラムが広まり,15世紀にはスルタンを戴くスールー王国が形成された。スールー王国は16世紀以降,スペインの侵略に抗してモロ戦争を戦い,独立を守ったが,1915年米国の支配に服し,1940年にフィリピンに編入された。フィリピン独立後,スールー諸島はミンダナオ島とともにモロ民族解放運動(MNLF)の拠点となり,分離独立闘争が展開された。1990年,政府は自治権を賦与し,以降和平調停がなされているが,スールーはいぜんとしてMNLFミスアリ派の拠点となっている。
→関連項目ミンダナオ[島]モロ民族解放戦線

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