スール(英語表記)Ṣūr

デジタル大辞泉 「スール」の意味・読み・例文・類語

スール(Sur)

オマーン東部の都市。首都マスカット南東約150キロメートルに位置し、オマーン湾に面する。6世紀頃より東アフリカとの交易により栄え、16世紀にポルトガル支配下に置かれた。ダウ船という伝統的な木造船の造船所があることで知られる。

スール(Sour)

レバノン南西部の村。古代フェニキアの海港都市ティルスがあった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「スール」の意味・わかりやすい解説

スール
Ṣūr

地中海岸にある南レバノン最大の都市。人口12万(2003)。ティールTyreともよばれる。1960年代は1万人以上の人口を擁し(1969年1万5000人),その大部分がシーア派イスラム教徒でキリスト教徒が少数派。商港としての繁栄テュロスとよばれた古代から有名で聖書にも出てくるし遺跡も多い。近年はアラブイスラエル関係が悪化したことで重要度が急減している。後背地のレバノン山地南部への工業用材供給地で,漁民船大工そして卸・小売商が住む。PLOの根拠地が近かったために被害があった反面,イスラエルとの通商の拠点ともなっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスールの言及

【貝】より

…そのためそれを採取した遺跡には今もその貝殻が山とつまれている。このようにこの紫の染料は貴重であり,高価であったので帝王紫Imperial purpleといわれ,またそれを積み出したテュロス港(現,スール。聖書ではツロ)にちなんで,テュロス紫Tyrian purpleと称された。…

【テュロス】より

…フェニキアの海港都市。現在名スール。聖書ではツロと記される。…

※「スール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android