セミタケ(蝉茸)(読み)セミタケ(英語表記)Cordyceps sobolifera

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セミタケ(蝉茸)」の意味・わかりやすい解説

セミタケ(蝉茸)
セミタケ
Cordyceps sobolifera

子嚢菌類核菌類バッカクキン目バッカクキン科。ミンミンゼミの蛹に寄生し,羽化前に地中宿主を殺して春夏の頃キノコを出す。長さ7~10cmの棍棒状で,直径は太いところで5~7mm,細いところで2~5mmほどである。頭部は黄褐色,柄部はやや紅色を帯びている。ときに虫体の頭部を白色菌糸がおおうことがある。頭部の表面には無数の粒状突起がみられ,それらの下には被子器が形成される。被子器はとくり形ないし卵形で,8子嚢胞子を含む円筒形の子嚢を内蔵する。この種は日本,中国,西インド,南アメリカにかけて知られているが,オオセミタケ C. heteropodaは日本特産で,淡紅褐色ないし肉桂色をしており,セミタケよりも大きくエゾゼミアブラゼミなどに寄生する。セミタケは冬虫夏草 (とうちゅうかそう) といわれるキノコ類の代表である。

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