セメイ(読み)せめい(英語表記)Semey

デジタル大辞泉 「セメイ」の意味・読み・例文・類語

セメイ(Semey/Семей)

カザフスタン北東部、東カザフスタン州都市。ロシア語名セミパラチンスク。イルティシ川沿いに位置し、古くから河口を有す。18世紀初めに要塞が建設され、交易拠点として発展食品工業軽工業が盛ん。旧ソ連時代の1949年から1989年まで、市の西方の草原地帯にポリゴンと呼ばれる核実験場が置かれ、合計400回以上の実験が行われた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セメイ」の意味・わかりやすい解説

セメイ
Semey

カザフスタン東部,東カザフスタン州の都市。 1991年までセミパラーチンスク Semipalatinskと呼称イルトゥイシ川西シベリア低地に出る地点に位置する河港都市で,交通の要地。町の歴史は 1718年イルトゥイシ川のやや下流沿岸に要塞が建設されたことに始まり,1778年現在地に移転。モンゴルからロシアへの交易路と,シベリアから中央アジアへの交易路の交差点にあったことから,交易中心地として繁栄。 1906年シベリアからの鉄道が通じ,1931年にはこれが延長されて中央アジアへ通じるトルクシブ鉄道が完成し,市の発展が促された。カザフスタンの食品加工業の中心地で,食肉缶詰,製粉,ビール,ウォツカ,乳製品を生産している。また皮革,メリヤスなどの工業もある。医科,獣医科,教育の各大学,郷土博物館がある。 18世紀の要塞の門が保存されている。作家フョードル・ドストエフスキーが流刑 (1854~59) されていた。人口 26万 9600 (1999) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セメイ」の意味・わかりやすい解説

セメイ
せめい
Semey

中央アジア、カザフスタン共和国北東、東カザフスタン州の都市。ロシア語ではセミパラチンスクSemipalatinskと称する。イルティシ川両岸を占め、右岸に河港をもつ古くからの農産物加工業都市。人口26万9600(1999)、32万3591(2019推計)。食品工業、軽工業の一大中心地で、精肉コンビナートをはじめ、羅紗(らしゃ)、皮革製造などのコンビナートや製粉工場がある。一方右岸の河港内には、機械化された港湾施設をもつ船舶修理工場があり、セメント、ケーブル、建築資材製造などの工場も活気を呈している。ロシアのクズバス炭田とアルマトイを結ぶ鉄道の要衝で、経済、学術、文化の中心地でもある。1718年に要塞(ようさい)として建設されて以来、西シベリアとの交易の中心地として発展した。また、ソ連時代にはポリゴンとよばれる大規模な核実験場があり、1949年から1989年までの間に400回以上の実験が繰り返された。実験場は1991年に閉鎖令が出され、閉鎖作業は2000年に完了したが、放射能汚染の影響とみられる健康被害が問題となっている。

[山下脩二]

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