セラペウム(英語表記)Serapeum(Sarapeum); Serapeion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セラペウム」の意味・わかりやすい解説

セラペウム
Serapeum(Sarapeum); Serapeion

プトレマイオス朝エジプトの国家神セラピスを祀った神殿アレクサンドリアサッカラのものが有名である。特にサッカラのものは,1850年 A.マリエットが発見し,聖牛アピスを埋葬した末期王朝時代からプトレマイオス朝の地下墓地と,スフィンクス参道をもつ大規模なものである。地下墓地は全長 350mの通廊の両側に聖牛のミイラを納めた大型石棺を安置した埋葬室が整然と並んでいる。石棺は花崗岩製で平均 70tの重さがあるという。付近からは第 18,19王朝の墓も発見されている。

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世界大百科事典(旧版)内のセラペウムの言及

【サッカラ】より

…このピラミッドの北東には第5王朝ウセルカフ王のピラミッド(その葬祭殿が南側に置かれている),第6王朝テティ王のピラミッド,南西には初めて〈ピラミッド・テキスト〉が現れた第5王朝最後の王であるウナス(ウニス)王のピラミッド,第3王朝セケムケト王の未完成の〈埋葬ピラミッド〉がある。北西にはメンフィスのプタハ神の聖牛アピスを埋葬したアメンヘテプ3世の建立になるセラペイオン(セラペウム)がある。ここには古王朝期のマスタバや個人の墳墓が多くみられ,有名なティのマスタバのほか,プタハヘテプ,アケトヘテプ,メレルカ,カゲムニ等のマスタバをみることができる。…

※「セラペウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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