セローテ(英語表記)Serote, Mongane Wally

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セローテ」の意味・わかりやすい解説

セローテ
Serote, Mongane Wally

[生]1944. 南アフリカ連邦,ヨハネスブルク近郊ソファイアタウン
南アフリカ共和国の詩人,小説家,政治活動家。ヨハネスブルク近郊の黒人居住区ソファイアタウンに生まれ,結婚後は同じく黒人居住区アレクサンドラで過ごした。高等学校卒業後ジャーナリストになるが,1969年テロリズム法にふれ投獄された。アメリカ合衆国のコロンビア大学に留学後,長くボツワナに住み,アフリカ民族会議 ANC文化部長として活躍した。1960年代後半から書き始め,アパルトヘイト時代を代表する詩人である。詩集『ヤカリンコモ』Yakhal'inkomo(1972),『ママ見てごらん,花が』Behold Mama, Flowers(1978),6年がかりの小説『生まれてくるものたちへ』To Every Birth Its Blood(1981),評論集『水平線上で』On the Horizon(1990)などがある。政治的な正義感,解放への展望,想像的なメタファー暗喩),情熱的なリリシズムに特徴がある。アパルトヘイト廃止後もいくつかの詩集を発表,特に『第三世界エクスプレス』Third World Express(1992)では移行期の社会への夢と不安を巧みに形象し,野間アフリカ出版賞を受賞した。(→アフリカ文学

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