ゼウクシス[ヘラクレイア](英語表記)Zeuxis of Herakleia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ゼウクシス[ヘラクレイア]
Zeuxis of Herakleia

前5世紀末~4世紀初頭にアテネで活躍したギリシアの画家。おそらく南イタリアのヘラクレイア出身。タソスのネセウス,あるいはヒメラのデモフィロスの弟子。文献のみによって知られるが,最も高名な古代ギリシアの画家の一人。アガタルコスの遠近法,アポロドロスの明暗法をさらに発展させ,迫真写実を達成したと伝えられ,彼の描いたぶどうには小鳥が飛んできたという。大画家ポリュグノトスのエートスの表現よりも,むしろパトスの表現にすぐれていた。『神々とゼウス』『ケンタウロスの家族』『へびをつかみ殺す幼児ヘラクレス』など多くの作品を描いたが,いずれも現存しない。

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