ソモサ家(読み)ソモサけ

改訂新版 世界大百科事典 「ソモサ家」の意味・わかりやすい解説

ソモサ家 (ソモサけ)

ニカラグアの政・財界で勢力をふるった一家。ソモサAnastasio Somoza García(1896-1956)は,豊かな農園主の家に生まれ,政治家として軍隊を掌握して,1936年にクーデタを起こし,ソモサ家の長期独裁の基礎を築いた。47年には大統領を辞任したが,事実上の独裁者として同国に君臨し,巨額の富を築き上げた。56年に暗殺される。その息子のソモサLuis Somoza Debayle(1922-67)は,57年に大統領となり,63年に退任したあとも,ソモサ家の友人を次々に大統領につけ,ニカラグアの実質的な政治的・経済的支配を継続した。その死後,弟のソモサ・デバイレAnastasio Somoza Debayle(1925-80)が大統領となり,74年には再選されている。ソモサ一家のニカラグア支配への批判は,国内でサンディニスタ民族解放戦線サンディニスタ運動)に多くの人々を結集させ,78年からのサンディニスタ攻勢激化のため,アナスタシオは翌年7月に大統領を辞任して亡命,亡命先のパラグアイで暗殺された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のソモサ家の言及

【ニカラグア】より

… この間,アメリカ軍に訓練された国家警備隊の司令官アナスタシオ・ソモサ将軍(彼は1934年にサンディーノを暗殺させている)が実力をつけ,37年に自由・保守両党の支持を取りつけて大統領に就任した。これ以降,79年まで,ニカラグアは実質的にソモサ家が支配することになる。アナスタシオ(〈タチョ〉と呼ばれた)は1947年から51年まで大統領の座を離れたが,政権を裏で操作し,51年には再度大統領に返り咲き,56年さらに再選を目ざすさなかに暗殺された。…

※「ソモサ家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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