ゾンド(英語表記)Zond

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゾンド」の意味・わかりやすい解説

ゾンド
Zond

ソ連の月および惑星探査機シリーズ。ゾンド1号は 1964年4月に打上げ,金星観測をねらったが,軌道修正に失敗。2号は同年 11月に打上げ,火星探測をねらったが,65年5月電波連絡がとだえて失敗。同年7月打上げの3号は月に接近,裏側の鮮明な写真を写したのち,人工惑星となった。4号は 68年3月打上げ,不成功に終ったらしいが発表はない。5号は同年9月打上げ,月の裏側を回って月面から 1950kmまで接近し,6日目にインド洋上で回収された。探査機内にはカメコムギ種子などが積込まれていた。月を回り無事地球帰還したのは,これが史上初めてである。6号 (1969.11.) は月を回り,ソ連領内に着陸。7号 (69.8.) は月の写真撮影をしたのち,同じくソ連領内に軟着陸した。8号 (70.10.) は,月と地球を撮影して,インド洋上で回収された。

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百科事典マイペディア 「ゾンド」の意味・わかりやすい解説

ゾンド

ソ連の月および惑星探査機の名。1号(打上げは1964年4月,金星探査機),2号(1964年11月,火星探査機)は失敗,3号(1965年7月)は月の裏側の写真25枚の撮影と電送に成功,4号(1968年3月)は地球周辺宇宙空間を探測,5号(1968年9月)は月のまわりを周回して帰還,インド洋に着水。その後,6号(1968年11月),7号(1969年8月),8号(1970年10月)が打ち上げられたが,これらはいずれも月探査機

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世界大百科事典(旧版)内のゾンドの言及

【月】より

…観測機の重量は245kg,放射線と微小流星体の観測を56日間にわたり行った。さらに69年7月の15号からは重量がゾンドと同じ5.6tとなって第3世代に入り,16号(1970年9月)は,いったん月周回軌道に入った後,豊の海に軟着陸,100gの表土や石のサンプルを収めたコンテナーは月を離陸,スキップ方式でソ連領に帰還,回収された。17号(1970年11月)はルノホートと呼ばれる無人月面移動車を月面に運び込むことに成功した。…

※「ゾンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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