タチシノブ(立忍)(読み)タチシノブ(英語表記)Onychium japonicum; claw-fern

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タチシノブ(立忍)」の意味・わかりやすい解説

タチシノブ(立忍)
タチシノブ
Onychium japonicum; claw-fern

ワラビ科の常緑性シダ植物。カンシノブともいう。日本の東北地方南部以西および朝鮮南部から東南アジア熱帯にかけて広く分布する。山地の樹林下に普通にみられる。根茎は匍匐し,褐色の薄い鱗片を密生する。葉は 50cm前後に達し,葉身は3~4回羽状複葉で,裂片は細長い。胞子葉栄養葉の2型が区別され,胞子葉のほうが切れ込みも深く大型になる。和名は,シノブに似ていて葉が直立することにより,またカンシノブはシノブが夏緑性なのに対し,冬でも枯れないためである。

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