タフタ(英語表記)taffeta

翻訳|taffeta

デジタル大辞泉 「タフタ」の意味・読み・例文・類語

タフタ(taffeta)

細い横畝よこうねがあり、光沢と張りの強い薄地で平織りの絹織物リボンや高級婦人服などに用いる。琥珀こはく織。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「タフタ」の意味・読み・例文・類語

タフタ

〘名〙 (taffetas) 薄地のこはく織りの布。横の方向に畝がある平織物。絹が多く用いられる。張りがあり、婦人服のなかでも、特にカクテルドレスなどのしゃれて上品な服に使われることが多い。
※みそっかす(1949‐50)〈幸田文〉鷹「一番のお職は幅広のタフタで、紅や薄紫薔薇花模様が浮きだしていた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「タフタ」の意味・わかりやすい解説

タフタ
taffeta

平織の絹織物の一種。名称はペルシア語のtāftah(輝く,紡ぐ)に由来する。14世紀ころからヨーロッパでは知られていたが,当時は薄地の上質の絹織物をいった。経糸に比べて太めの緯糸を使うため,横の方向に低い畝(うね)ができ,美しく丈夫である。色無地シャンブレー玉虫),縞,格子,紋タフタ等がある。厚めのものを薄琥珀(こはく)とも呼ぶ。玉糸を使った玉タフタや,3色の色糸で特殊な色合いを出したものにカメレオン・タフタがある。ネクタイ裏地,婦人服地,洋傘地,リボン等と広範囲に使われる。日本での主産地は桐生。近年はレーヨンアセテート,ナイロン,ポリエステルのものや交織が多い。綾羽二重と似た綾タフタはフーラードfoulardといい,肌ざわりが柔らかでネクタイ,スカーフ,ブラウス,ドレスなどに用いる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タフタ」の意味・わかりやすい解説

タフタ
taffeta

絹の薄地の琥珀織物 (練り絹織物の一種) 。語源は紡ぐとか撚糸で織る意のペルシア語 。経糸の太さは緯糸の約半分で,密度は2倍以上あり,横方向にうねのある平織物である。生地は堅めで,張りがある。白無地のものが一般的であるが,縞物や紋物もある。ヨーロッパには 16世紀頃からあり,南蛮貿易時代日本へ伝わった。現在,桐生,京都などがその主産地として知られ,イブニングドレス,ウェディングドレス,その他スカーフ,ブラウスなど婦人服地に利用されることが多い。最近では,化繊,合繊を使ったものも出ている。綾タフタ,玉虫タフタ,玉タフタなどもある。

タフタ
Tahtā

エジプト中部,アシュート県の町。カイロ南方 355km,ナイル川西岸の交通の要衝。周辺では綿花,穀物,サトウキビ,ナツメヤシの生産のほか,酪農が盛ん。人口5万 8516 (1986推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「タフタ」の意味・わかりやすい解説

タフタ

薄地の絹織物で,琥珀(こはく)織と同様横方向に畝(うね)を表した平織物で薄琥珀ともいう。ペルシア語のtaftah(輝く,紡ぐの意)に由来。光沢に富み張りがあるので婦人服地,ネクタイ,裏地,洋傘,リボンなどにする。色無地が多いが,異なった色糸を用いた玉虫タフタやカメレオン・タフタなどがある。近年では毛,綿,化繊でも織られている。
→関連項目畝織

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タフタ」の意味・わかりやすい解説

タフタ
たふた

経(たて)糸に諸撚(もろよ)りの練り糸、緯(よこ)糸に片撚りの練り糸を使用し、平織にした絹織物。精練した糸を漂白あるいは染色してから製織しているため、光沢に富み軽くて腰のある織物となっている。組織は一般に平織で、無地、縦縞(たてじま)、格子縞からなるが、ときには紋織のものもある。種類としては、経緯糸に異色糸を使い玉虫色を表した玉虫タフタ、カメレオン・タフタなどがある。用途は婦人服地、洋服裏地、洋傘などである。

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のタフタの言及

【糸織】より

…可良糸織,高貴織,市楽織,八端織,黄八丈,大島などは糸織であり,なかでも諸糸織は良品とされる。広幅織物のタフタも糸織の類で,横浜から輸出されたので浜こはくとも呼ばれる。山形県米沢を主に各地で織られるが近年は小幅物の生産が少ない。…

【タビー】より

…プレーン・ウィーブplain weave,プレーン・クロースplain clothと同義語で,平織,または平織で織られた織物をさす。用いられる糸によって薄地,厚地各種あるが,慣用としてはごく薄地の軽いものをタフタ,地厚な重いものをパドゥアゾイpaduasoy,両者の中間のものをタビーと呼びならわしている。タビーには経糸(たていと),緯糸(よこいと)にそれぞれ2本以上の糸を引きそろえて用いたもの(日本では魚子(ななこ)と称される)のほか,紋織にしたもの,さらに紋緯を押さえるために地経の外に搦経(からみだて)を加えたダブル・タビーdouble tabbyなどがある。…

※「タフタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android