タラスコン(英語表記)Tarascon

デジタル大辞泉 「タラスコン」の意味・読み・例文・類語

タラスコン(Tarascon)

フランス南部、ブーシュ‐デュ‐ローヌ県の町。ローヌ川に面する。ローマニームを結ぶ軍事上の要地にあり、14世紀から15世紀にプロバンス伯が建てたタラスコン城がある。19世紀にはドーデ小説タルタラン」の舞台にもなった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タラスコン」の意味・わかりやすい解説

タラスコン
たらすこん
Tarascon

フランス南部、ブーシュ・デュ・ローヌ県の町。ローヌ川下流左岸にある。人口1万2668(1999)。対岸の町ボーケールBeaucaire(人口1万3748、1999)とは対向集落をなす。果実・野菜の取引、繊維・家具工業が主産業。古来、ローマからニームへ向かう軍道の渡河地点として戦略要地となり、歴代のプロバンス伯が築城、14~15世紀建造の城が残る。小説家ドーデの三部作『タルタラン・ド・タラスコン(邦訳『陽気なタルタラン』)』『アルプスのタルタラン』『タラスコン港』で知られる町。

[青木伸好]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タラスコン」の意味・わかりやすい解説

タラスコン
Tarascon

フランス南東部,ブーシュデュローヌ県,ローヌ川東岸の町。アルルの北約 15kmに位置する。この地方を荒した怪物タラスクを聖女マルトが手なずけたという伝説から命名された。マルトの墓のある大聖堂 (15~16世紀) がある。ローヌ川の切立った崖の上に建てられた美しい城 (14~15世紀) はルネ王の居所であった。プロバンスの雰囲気を伝える狭い道路やアーチの旧市街が残る。また,A.ドーデの小説『タルタラン・ド・タラスコン』でも知られ,毎年6月最後の日曜日には,タラスクの像をかついだ行列が練り歩き,観光客を集める。布,パルプを産し,果物,野菜などを集散する。道路,鉄道で対岸のボーケールと結ばれ,ローヌ渡河の要地となっている。人口1万 1158 (1990) 。

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