タンナ島(読み)タンナトウ

デジタル大辞泉 「タンナ島」の意味・読み・例文・類語

タンナ‐とう〔‐タウ〕【タンナ島】

Tanna南太平洋ニューヘブリディーズ諸島火山島バヌアツ領。首都ポートビラがあるエファテ島の南東約200キロメートルに位置する。活火山ヤスール山は、マグマが噴出する火口に近づける山として知られる。メラネシア人の伝統的な生活習慣が伝わる村や、カーゴカルト(積荷信仰)が残る村がある。ターナ島

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改訂新版 世界大百科事典 「タンナ島」の意味・わかりやすい解説

タンナ[島]
Tanna Island

南西太平洋,バヌアツ共和国南部にある火山島。タナTana島とも呼ぶ。面積549km2,人口約1万。標高183mと規模は小さいが活火山のヤスール山が南東部にあり,火口まで海岸から歩いて1時間で達する。この火山と野生の馬が有名で,観光客も多く,町はないが観光客用の店や宿泊所があり,首都のビラとの間に毎日飛行機が往復している。比較的過ごしやすい気候で,雨がよく降る。住民はメラネシア人で,伝統的世界が根強く残っている。タンナ島で忘れてならないのは,カーゴ・カルトの一つ,ジョン・フラム運動である。この運動は原住民の宗教運動で,1940-41年に始まり,アメリカ人が豊富な物資とともにやってきてから急速に高まった。信者たちは,いつの日かジョン・フラムという人物がやってきて,キリスト教やヨーロッパの影響からメラネシア人を救い,大量の物資(缶詰タバコ,トラック,冷蔵庫など)をもたらしてくれると信じている。現在も続いているが,バヌアツの独立と相まって,政治運動の色彩が強くなっている。
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