タンポタケ(英語表記)Cordyceps capitata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タンポタケ」の意味・わかりやすい解説

タンポタケ
Cordyceps capitata

子嚢菌類核菌類バッカクキン目ニクザキン科。ツチダンゴ Elaphomyces cervinusという地下生の子嚢菌の子実体に寄生し,秋に林下地面に発生する。その形は亜球形の頭部とほぼ円筒形の茎部とから成りたんぽ槍を思い起させるのでこの名がある。頭部は径7~15mmで赤褐色のちに黒色,茎部は径5~6mm,高さ5~6cmで黄緑色のちに黒色となる。頭部の表面に粒状の構造がみられるが,それは子嚢殻の頂端部が並んだもので,そこに生じる孔口から子嚢胞子が出る。日本の本州,中国,ヨーロッパ,北アメリカに分布する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のタンポタケの言及

【冬虫夏草】より

…代表的なものにセミタケC.sobolifera B.et Br.(イラスト),サナギタケC.militaris Link.(鱗翅(りんし)類のサナギに寄生),ミミカキタケC.nutans Pat.(カメムシの成虫に寄生)(イラスト),ハチタケC.sphecocephala Sacc.,アワフキムシタケC.tricentri Yasuda(イラスト)などがある。 例外的に地下にできるキノコのツチダンゴElaphomycesに寄生するハナヤスリタケC.ophioglossoides Fr.(イラスト)やタンポタケC.capitata Cesati et Not.,タンポタケモドキC.japonica Lloydもある。いずれも寄主はほとんど地中にあり,棍棒状の菌の部分だけが地上に出ているので,採集は簡単でない。…

※「タンポタケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android