タートン(大同)特別市(読み)タートン(英語表記)Datong

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タートン(大同)特別市」の意味・わかりやすい解説

タートン(大同)〔特別市〕
タートン
Datong

中国華北地方,シャンシー (山西) 省北部の鉱工業都市。省轄市であるが,イエンペイ (雁北) 地区の行政中心地となっている。タートン盆地の中心地で,サンカン (桑乾) 河の支流ユイ (御) 河の西岸にある。戦国時代に町がつくられ,漢代に匈奴防御の軍事拠点とされた。魏晋南北朝時代には北魏が平城と呼んで都とし,西方 15kmに雲崗石窟が造営された。北斉の代に南方と北方に2本の長城が築かれ,遼代と金代には西京大同府で,五京の一つであった。明・清代には大同府の府治。 20世紀に入ってチンパオ (京包) 鉄道とトンプー (同蒲) 鉄道の接点となり,商業地として発展。省北部および内モンゴル (蒙古) の穀類,皮革,羊毛,薬草類,雑貨の集散でにぎわった。埋蔵量 400億tといわれる大炭田があり,人民共和国成立後は大規模な開発が進んだ。中心鉱区は南西郊のコウチュワンコウ (口泉溝) で,鉄道の支線が出ている。また鉄鉱,オイルシェール,耐火煉瓦用粘土も採掘されている。工業の発達もめざましく,セメント,鉄道車両,鉱山機械,硫酸ソーダ製粉,食料油,農機具などの近代的な工場が立地している。人口 127万 7310 (1990) 。

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