ダイコン(大根)(読み)ダイコン

百科事典マイペディア 「ダイコン(大根)」の意味・わかりやすい解説

ダイコン(大根)【ダイコン】

オオネ,スズシロとも。アブラナ科の一〜二年生野菜。中央アジア原産といわれるがまだ定説はない。根は多汁,多肉で大きく白色のものが多いが,紅,紫などのものもある。葉は束生し羽状複葉。春1m内外の茎を出し白〜淡紫色の4弁花を総状につける。日本では古くから栽培され,姿形生態の異なる多くの品種が発達,周年供給されている。代表的品種は練馬守口,宮重,四月,春福,桜島,みの早生(わせ),聖護院,四十日,白上りなど。ほかに欧米から導入されたハツカダイコンなどがある。根はジアスターゼ,ビタミンCを多く含み,おろし,なます,煮物,切干,たくあんなどに重用される。葉にはビタミンAが多い。主産地は北海道,千葉,宮崎,鹿児島など。ダイコンの芽生えはカイワレ(カイワレダイコンとも)と称され,近年,生食用に量産されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダイコン(大根)」の意味・わかりやすい解説

ダイコン(大根)
ダイコン
Raphanus sativus var. raphanistroides

アブラナ科の二年草。日常的な野菜の1つ。ヨーロッパ南部の原産とされ,中国を経て古い時代に日本に伝えられた。古名はスズシロといい,春の七草の1つ。多数の変種,品種があるが,すべて一つの系統から出たものと考えられている。根出葉は羽状に深裂し粗毛がある。春に,茎が伸びて上部は分枝し,総状花序をなして十字形の淡紫色または白色の花をつける。おしべは6本で,そのなかの4本が長い。花糸の基部に蜜腺をもつ。果実は細長く,中に赤褐色の種子を含む。普通大根と呼ばれる部分の上部は茎で,中部以下が根であるが境界は明らかでない。海岸の砂地に生えるハマダイコンはダイコンが野生化したもので,世界各地に帰化している。

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