ダゴンバ族(読み)ダゴンバぞく(英語表記)Dagomba

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダゴンバ族」の意味・わかりやすい解説

ダゴンバ族
ダゴンバぞく
Dagomba

自称ダグバンバ Dagbamba。ガーナ北部に住み,ニジェール=コンゴ語派のグル諸語のダグバネ語を話す。 17世紀末アシャンティ族に征服されてから,1874年に彼らがイギリス軍に敗れるまで,年貢として奴隷を納めていた。農業が生業の中心で,ソーガム,もろこし,ヤムいも,落花生などを栽培し,移動耕作を行う。農耕は男性の仕事であるが,収穫には女性も脱穀などの手助けをする。家畜も飼われ,狩猟漁労も行われる。社会組織は平民と族長家族に分れる。平民の間では父系リニージが形成され,それが階層的な数組に分れ,各組は地位に応じた役割をになう。祖先崇拝や土地信仰が主要な儀礼である。族長階級では,父系と母系の両方を通じて1人の祖父または大祖父のすべての子孫で構成された親族集団が中心である。ヤ・ナという前首長の息子のみが政権を握ることができる。

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世界大百科事典(旧版)内のダゴンバ族の言及

【住居】より

…アシャンティ族は熱帯雨林気候に住み,そのため住棟を一体化し大きな屋根で覆う必要があったと思われるが,この形式がコンパウンドの変形であることの証左はロ字型のほかにコ字型やL字型の住居が混在することである。 円形平面で明快な配列則をもつ例としてグルマンチェ族やモシ族,ダゴンバ族のコンパウンドがある。円形の住棟を環状に並べ,間を柵や塀で閉じたもので,首飾状の完結度がきわめて高いものである。…

※「ダゴンバ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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