ダンギク（読み）だんぎく

日本大百科全書(ニッポニカ)

ダンギク
だんぎく / 段菊
[学] Caryopteris incana (Thunb.) Miq.

クマツヅラ科（APG分類：シソ科）の多年草。全体に毛を密生し、灰緑色を帯びる。茎は基部が木質化し、直立して堅く、高さ30～60センチメートル。葉は対生し、卵形で裏面は密に毛がある。9～11月、上部の葉腋(ようえき)に香りのある紫色花を多数密生する。花冠は5裂し、裂片の1枚は大形となり、縁辺は細かく裂け、雄しべと花柱が花外へ飛び出る。海岸の草地に生え、九州西部、および朝鮮半島、中国に分布し、観賞用に栽培もされる。名は、密集した花が段々をなして開くことに由来する。

［高橋秀男　2021年9月17日］

ダンギク

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

百科事典マイペディア

ダンギク

クマツヅラ科の多年草。九州，朝鮮，中国大陸に分布し，ときに庭にも植えられる。茎は分枝し，高さ約60cm。卵形で，長い柄がある葉を対生する。９〜11月，紫色の花が枝先の葉腋に集まって咲く。花冠は長さ約7mm，下部が細い筒となり，先のほうが５裂。

出典　株式会社平凡社

世界大百科事典（旧版）内のダンギクの言及

【カリガネソウ】より

…いずれも花の形にもとづく。ダンギクC.incana Miq.は九州から中国大陸に分布する多年草だが，切花や花壇用に栽植される。また中国では風邪などに対して用いられる。…

※「ダンギク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」