ダンコウバイ(檀香梅)(読み)ダンコウバイ(英語表記)Lindera obtusiloba

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダンコウバイ(檀香梅)」の意味・わかりやすい解説

ダンコウバイ(檀香梅)
ダンコウバイ
Lindera obtusiloba

クスノキ科の落葉低木で,ウコンバナ,シロヂシャなどともいう。関東地方より南の山地に生え,アジア東部にも分布する。枝はやや太くまばらで,広楕円ないし卵円形の葉が互生し,葉の先端が普通は3裂するが,幼樹や枝先の葉は裂けずに卵形のことがある。葉裏は帯白色で葉脈に沿って淡褐色の長い毛がある。早春,葉の出る前に散形花序をなして黄色の小花を多数つける。雌雄異株果実球形の液果で赤く熟する。全株にかすかに芳香がある。果実から油をしぼって灯油とし,また朝鮮半島では冬柏油と呼んで高級な頭髪油とされる。なお,ロウバイ科のトウロウバイダンコウバイと呼ばれるが,別種である。

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