チアパス州(読み)チアパス(英語表記)Chiapas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チアパス州」の意味・わかりやすい解説

チアパス〔州〕
チアパス
Chiapas

メキシコ南部,太平洋に面する州。州都トゥストラグティエレス。東はグアテマラと国境を接する。南西の太平洋テワンテペク湾岸に狭い海岸平野,北部ベラクルス州との州境付近にメキシコ湾岸低地から続く低地があるほかは,大部分が森林におおわれた山地から成る。南部には海岸平野に並行してマドレ (ソコヌスコ) 山脈が連なり,グアテマラへ続く。同山脈一帯はソコヌスコと呼ばれ,山中には肥沃で気候温和な高原が開け,おもにインディオから成る州人口の大半が集中する。グアテマラとともにマヤ文明の栄えた地で,州内にはパレンケ,ボナンパクなどの遺跡がある。主産業は農業 (コーヒー,ゴム,果樹) ,牧畜林業製塩で,金,銀,銅,石油などの鉱物資源もある。メキシコ中心部から遠く離れ,交通の便も悪かったため,開発が遅れたが,現在は州中央部をパンアメリカン・ハイウェーが横断,北部と南部沿岸に鉄道が通じるなど,交通網が広がりつつあり,それに伴って州経済も次第に発展してきている。面積7万 4211km2。人口 320万 3915 (1990推計) 。

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