チャ(茶)(読み)チャ

百科事典マイペディア 「チャ(茶)」の意味・わかりやすい解説

チャ(茶)【チャ】

葉を飲料とするツバキ科の常緑樹チベットとその周辺原産とされる。インドの野生種は高さ8〜15mに達するが日本や中国では1m前後の低木となる。木質は堅く樹皮はなめらか。葉は濃緑色,長楕円形で厚い。花は白色で初秋〜冬に開花。一般に温暖多雨の気候を好み,品種はアッサム種と中国種に2大別される。葉は5月ごろから3回ほど摘採し,緑茶では蒸したのち焙炉(ほいろ)中でもみながら乾燥する。紅茶は生葉をやや乾燥させたのち発酵・乾燥させる。繁殖種子あるいは挿木(さしき),取木,根挿による。茶は漢代の中国ですでに飲用され,日本には奈良時代に伝来し,鎌倉時代以後,各地に広まった。ヨーロッパへは16―17世紀に伝わり18世紀には紅茶が発明された。緑茶,紅茶のほか,ウーロン茶磚茶(たんちゃ)などがある。主要成分はカフェイン,タンニン,ビタミンCなど。世界の主要生産国はインド,スリランカ,中国,インドネシア,日本など。日本では静岡のほか京都の宇治,埼玉の狭山などが名産地。一人当り消費量は英国が最高。
→関連項目嗜好作物中国茶

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャ(茶)」の意味・わかりやすい解説

チャ(茶)
チャ
Thea sinensis

ツバキ科の常緑低木。中国大陸原産。日本をはじめ世界各地で製茶(→製茶業)のため栽培され,また庭木にも用いられる。自生するものは高さ 6~8mに達するが,栽培のものは刈り込むため 1mぐらいにとどまり,密に分枝する。葉は互生(→葉序)し,表面は濃緑色で光沢があり,長さ 4~10cmの長楕円形で先はとがり,鋸歯がある。秋季から冬季にかけ,葉腋に径 2cmほどの 1~3個の花が下向きに開く。は 5個で緑色。花弁は 5枚あり,白色で丸く内側へ多少巻いている。多数のおしべがあり,基部で浅い筒形に癒着して単体おしべをつくる。蒴果は平たい球形で三つに裂ける。葉を摘んで飲料の茶をつくり,またカフェイン製造の原料とする。茶は昔から伝わる最も一般的な飲み物で,緑茶紅茶ウーロン茶などの種類がある。タンニンビタミンC,カフェインなどを豊富に含み,独特の香りと一種の渋みがある。

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