チャネル諸島(読み)チャネルしょとう(英語表記)Channel Islands

翻訳|Channel Islands

精選版 日本国語大辞典 「チャネル諸島」の意味・読み・例文・類語

チャネル‐しょとう ‥ショタウ【チャネル諸島】

(チャネルはChannel) イギリス海峡の南部、ノルマンディー半島の西にあるイギリス領の群島ジャージー島など四島からなる。温和な気候で、野菜花卉(かき)果物栽培が盛ん。観光地としても知られる。

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デジタル大辞泉 「チャネル諸島」の意味・読み・例文・類語

チャネル‐しょとう〔‐シヨタウ〕【チャネル諸島】

Channel Islands
イギリス海峡の南部、フランスコタンタン半島の西にある諸島。英国王領。ジャージー島ガーンジー島などからなり、金融・酪農・園芸農業が盛ん。公用語は英語とフランス語だが、フランス語方言のジャージー語・ガーンジー語なども残る。
米国カリフォルニア州南西部、本土の沖合約20キロメートルにある諸島。通称サンタバーバラ諸島。サンタクルーズ島、サンタローザ島、サンタカタリナ島をはじめ、大小八つの島々で構成される。固有の動植物が生息し、うち5島が1980年に国立公園に指定。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャネル諸島」の意味・わかりやすい解説

チャネル諸島
チャネルしょとう
Channel Islands

イギリス海峡南部にある島群。フランスではノルマンド諸島 Îles Normandes。フランス北西部ノルマンディーコタンタン半島の西岸沖合いに位置する。ジャージー島ガーンジー島オールダニー島サーク島,および周辺の小島,岩礁からなる。フランス領のロシュドゥーブル島,ショージー島を除きイギリス領。住民はノルマン系が大部分を占めるが,ブリトン人との混血が進み,オールダニー島にはイギリス系住民が多い。古生代末期のアルモリカ造山運動を受け,フランス北西部と地質も同系統で,おもに先カンブリア時代の結晶片岩,片麻岩,花崗岩,閃長岩質の岩石からなる。地形は一般に平坦。気候は西岸海洋性気候。中世はノルマンディー公爵領であったが,ノルマンディー公ウィリアム(ウィリアム1世)がイギリス国王となったのを契機に,イギリス領となった。英語とフランス語が使用され,国王の直轄地として本土に対しかなり自由な権限をもっている。主要都市はジャージー島のセントヘリアー,ガーンジー島のセントピーターポート。ジャガイモ,トマト,ブドウ,花卉などを栽培する園芸農業や酪農が行なわれるほか,観光業も盛ん。イングランド南岸のウェーマス・ポートランドより海路ロンドンサウサンプトンより空路の便がある。面積 194km2人口 14万9878(2001)。

チャネル諸島
チャネルしょとう
Channel Islands

アメリカ合衆国,カリフォルニア州南部沖合いに北西から南東にかけて約 240kmにわたって散在する群島。サンタバーバラ諸島とも呼ばれる。本土とはサンタバーバラ海峡およびサンペドロ海峡で隔てられている。サンタクルーズ島,サンタローザ島,サンタカタリナ島,サンニコラス島,サンクレメンテ島などの島々からなる。最大の島はサンタクルーズ島で,面積 254km2。最高点 747m。諸島は対岸海岸山脈と対応した断層山地と考えられ,諸島間にはかなり深い海溝があり,最深部は 1829m。全域から海棲無脊椎動物やゾウの化石が発見され,1938年チャネル諸島国定記念物に指定。1980年国立公園となった。これらの島には先住民族アメリカインディアンが住んでいたが,16世紀中頃,カリフォルニア沿岸を探検したポルトガル人ジョアン・ロドリゲス・カブリリョが訪れて以後,白人が住むようになった。今日,沿岸漁業の根拠地や保養地となっており,特にサンタカタリナ島は観光開発が進んでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャネル諸島」の意味・わかりやすい解説

チャネル諸島
ちゃねるしょとう
Channel Islands

ヨーロッパ北西部、フランスのノルマンディー半島西部沖合いに連なるイギリス領の島々。面積194平方キロメートル、人口13万2724(1981)。主島ジャージー島以下、ガンジー島、オルダーニーAlderney島、サークSark島、その他の小島からなる。中心地はジャージー島のサンテリエSt. Hellier。オルダーニー島や都市部にはイギリス系住民が多く英語が話されるが、農村部や小島にはノルマン系フランス人も多く、ジャージー島ではフランス語が公用語となっている。乳用牛のジャージー、ガンジー両種はこの地の原産で、純血種の保存が図られている。酪農が主産業で、各種のウシの品種改良が進んでいる。また、メキシコ湾流に洗われ、四季を通じて温暖なため園芸農業にも適し、花や野菜類の促成栽培が盛ん。生産物はイギリス本土に送り出される。洞窟(どうくつ)住居跡などの先史遺跡、ローマ時代、ノルマン時代の遺跡が多く、風光に恵まれたイギリス最南端の地であるため、観光地としての発展も目覚ましい。

 10世紀にノルマンディー公国の所有となり、ノルマンのイングランド征服によってイギリス領となった。フランス王フィリップ2世のノルマンディー没収(1204)の際もイギリス王ジョンの支配下に残り、14世紀にはフランスが主権回復をねらうが成功しなかった。第二次世界大戦中の1940~1945年ドイツ軍が占領。

[小池一之]

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