チョルラプク(全羅北)道(読み)チョルラプク(英語表記)Chǒnra puk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

チョルラプク(全羅北)〔道〕
チョルラプク
Chǒnra puk

韓国の南西部にある1級行政区。道庁所在地はチョンジュ (全州) 市。行政区域は6市 13郡。西部はマンギョン (万頃) 江とトンジン (東津) 江の流域にホナム (湖南) 平野が広がり,韓国最大の稲作地である。東部はノリョン (蘆嶺) 山脈とソベク (小白) 山脈であるが,韓国最大のチナン (鎮安) 高原があり,またソムジン (蟾津) 江の流域にナムウォン (南原) ,スンチャン (淳昌) などの盆地が開けている。米のほかハダカムギ,オオムギ,ジャガイモが栽培され,東部は綿花コウゾ,カラムシを特産。チョンジュ市のリンゴ,モモも重要である。地下資源に乏しく工業化は遅れたが,現在では貿易港のクンサン (群山) 市から内陸のイリ (裡里) 市,チョンジュ市にかけて,いくつもの工業団地があり,繊維,製紙,電子工業,醸造工業などの工業が発達している。またソムジン江とトンジン江ではダム建設など流域の総合開発が行われている。漁業も盛んで,クンサン港のほか南部のチュルポ港も沖合いのウイ (蝟) 島付近にイシモチの好漁場を控えて水揚高が大きい。クンサン港付近では干拓,チュルポ湾では塩田開発が行われている。交通はイリ市でホナム鉄道,チョルラ鉄道,クンサン鉄道が交るほか,73年ホナム高速道路が開通した。観光資源としてはチリ (智異) 山,ネザン (内蔵) 山などの国立公園がある。面積 8075km2。人口 207万 (1990推計) 。

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