チョンチョウ(鄭州)特別市(読み)チョンチョウ(英語表記)Zhengzhou

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

チョンチョウ(鄭州)〔特別市〕
チョンチョウ
Zhengzhou

中国華北地方,ホーナン (河南) 省の省都。ホワン (黄) 河の扇状地上,南岸付近にある。チョンチョウ市の7つの市区とインヤン県など6県から成る。中心市街地は中国を南北に縦断するチンコワン (京広) 鉄道,東西に横断するロンハイ (隴海) 鉄道の交点に発達。隋代に管城県がおかれ,以後,州や郡の治所となった。清代末に京漢鉄道が敷かれて小麦綿花などの集散地ともなった。民国では鄭県であったが人民共和国で市となり,1954年省都となった。 50年以後,仰韶文化,竜山文化の遺跡が続々と発掘されている。殷代の遺跡も多く,住居跡,墳墓,骨器製造所や銅精錬場の跡などがある。特に南部の鄭州二里岡 (ていしゅうにりこう) 遺跡は甲骨文字の解明や青銅器の研究に重要な手掛りとなった。漢代以後の墳墓の出土も多い。綿作地帯にあり,中国有数の綿紡織都市である。ほかに製鋼,アルミニウム精錬,大型機械,電機,鉱山機械などの機械工業,油脂,製薬,農薬などの化学工業,肉類加工などの食品工業が発展している。 23年京漢鉄道の労働者によって展開された大ストライキの勃発地で,2月7日に加えられた弾圧にちなむ二七記念堂,二七広場がある。人口 551万 4209,うち市区人口 179万 6854 (1990) 。

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