テレサ[アビラ](英語表記)Teresa de Avila

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テレサ[アビラ]」の意味・わかりやすい解説

テレサ[アビラ]
Teresa de Avila

[生]1515.3.28. アビラ
[没]1582.10.4. アルバ・デ・トルメス
スペインのキリスト教神秘家,女子カルメル会改革者,聖女,最初の女性教会博士。イエズステレジア,大テレジアとも呼ぶ。 1535年父の意に反してカルメル会に入ったが,微温的な修道生活を続けた。 1554年神秘体験を味わい,回心してキリストにすべてを捧げて従うことを決意。 1562年同志とともに原初の厳格な戒律に従う改革カルメル修道院をアビラに設立,そこから女子のみではなく男子カルメル会の改革運動をも,十字架ヨハネらの協力を得て指導した。みずからも観想生活に専念,その体験を数々の書に著した。女子跣足カルメル会の創立者として大きな尊敬を集めるとともに,神秘体験の階程を客観的に叙述した著書によって近代カトリック教会の神秘主義に与えた影響は著しい。主著自叙伝』 Libro de la vide (1588) ,『完徳の道』 Camino de perfección (1588) ,『霊魂の城』 Castillo interior (1588) ,『創立史』 Fundaciones (1588) など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android