ディエゴ(Gerardo Diego)(読み)でぃえご(英語表記)Gerardo Diego

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ディエゴ(Gerardo Diego)
でぃえご
Gerardo Diego
(1896―1987)

スペインの詩人、文学者、音楽家。サンタンデル生まれ。詩風は初期の大胆な前衛詩から古典的な詩まで幅広い。奔放なイメージを駆使した『泡沫(ほうまつ)の手引書』(1924)、完璧(かんぺき)なフォームでカスティーリャの地の感動を歌った『人間の詩』(1925)、古典美の頂点を極めたソネット集『真実のひばり』(1941)など。戦後も厳粛な『聖なる詩』から、闘牛を歌った軽快な『運もしくは死』、音楽との深いかかわりを示す一連の作品など、伝統と刷新の総合ともいうべき多様な世界をつくりあげている。卓越した技巧と美に対する感受性気品が渾然(こんぜん)一体となっている。ほかに、時代の証言ともいうべき近代詩の編著『現代スペイン詩抄』(1932、増補版1934)がある。アカデミー会員。1979年セルバンテス賞受賞。

[有本紀明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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