ディオニュシウス・アレオパギタ(読み)ディオニュシウスアレオパギタ

百科事典マイペディア の解説

ディオニュシウス・アレオパギタ

ギリシア名ディオニュシオス・アレオパギテス。《使徒行伝》17:34に見える人名で,16世紀初頭までいわゆる〈偽ディオニュシウス文書〉の著者とされてきた〈アレオパゴスの裁判人〉。聖書ではデオヌシオ。初代パリ司教(聖ドニ)と同一視されもした。その手に帰される《神名論》《神秘神学論》《天上階序論》《教会階序論》ほかは,新プラトン主義哲学を援用しつつキリスト教教義を弁証したギリシア語の著作で,エリウゲナによるラテン語訳や注解,トマス・アクイナスの注解などによって広く知られ,否定神学や天使論の源泉として尊重された。
→関連項目ボナベントゥラ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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