デニソフ

百科事典マイペディア 「デニソフ」の意味・わかりやすい解説

デニソフ

ロシア(ソ連)の作曲家。生地トムスクで数学を学んだのちモスクワ音楽院に入学。社会主義リアリズム路線と一線を画した斬新(ざんしん)な作品で1960年代から西側にも知られ,後輩グバイドゥーリナシュニトケら旧ソ連の作曲家に国際舞台への道を開いた。主要作に,ソプラノと11楽器のための《インカの太陽》(1964年),《チェロ協奏曲》(1973年),ボリス・ビヤンの小説によるオペラ《日々の泡》(1977年−1980年),《交響曲》(1988年)などがあり,シュニトケ同様〈多様式〉の作風をとる。敬愛するシューベルト即興曲を大胆に〈引用〉した《ビオラ協奏曲》(1986年)は,抒情家デニソフの資質を物語る典型例。ソ連崩壊後も作曲界のリーダー格として旺盛な活動を続けた。→ホリガー

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android